障害のある子どもを持つ親御さんの中には、
「この子の将来が心配」
「自分がいなくなった後はどうなるのだろう」
「働ける場所はあるのだろうか」
「どこまで手伝い、どこから本人に任せればいいのか分からない」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
親として子どもを支えることは、とても大切です。
しかし、障害のある本人の将来を考えたとき、すべてを親が代わりに行うことだけが支援ではありません。
本人ができることを増やし、困ったときに家族以外の人にも相談できる環境をつくることも、重要な支援の一つです。
この記事では、障害のある子どもの将来や自立に不安を感じているご家族に向けて、親としてできる支援について分かりやすく解説します。
親が一人ですべてを抱え込まないことが大切
障害者支援を考えるうえで大切なのは、家族だけですべてを解決しようとしないことです。
子どものことを一番理解しているのは家族かもしれません。
しかし、生活、仕事、人間関係、金銭管理、健康管理など、将来にわたってすべてを家族だけで支え続けることは簡単ではありません。
そのため、早い段階から、
・相談支援専門員
・市区町村の障害福祉担当窓口
・就労支援事業所
・医療機関
・訪問看護
・グループホーム
・地域の相談支援機関
など、家族以外の支援者とのつながりをつくっておくことが重要です。
支援者との関係づくりは、問題が起きてから始めるよりも、本人の状態が安定している時期から少しずつ進めるほうが負担を減らしやすくなります。
1.本人の話を聞く
親としてできる最も身近な支援は、本人の話を聞くことです。
障害のある人の中には、自分の気持ちや困りごとを言葉で伝えることが苦手な人もいます。
「働きなさい」
「もっと頑張らないと」
「将来どうするの?」
と答えを急ぐよりも、
「今、何に困っている?」
「どんな場所なら安心できそう?」
「何だったら少しやってみたい?」
と本人の気持ちを確認することが大切です。
本人が働きたいと思っていても、いきなり週5日の一般就労が適しているとは限りません。
まずは外出する、決まった時間に起きる、週1日から通所する、人と同じ場所で過ごすなど、その人に合った小さな目標から始める方法もあります。
2.できないことより、できることを見る
障害があると、どうしても「できないこと」に目が向きやすくなります。
しかし、仕事や社会参加を考える際には、本人のできることや得意なことを見つける視点が重要です。
例えば、
・同じ作業を繰り返すことが得意
・パソコンが好き
・細かい作業が得意
・絵を描くことが好き
・手芸やミシンが好き
・決められた手順を守ることができる
・一人で集中する作業が得意
なども、その人の強みです。
一般的な働き方では力を発揮しにくかった人でも、環境や仕事内容が変わることで能力を発揮できる場合があります。
本人に合わない環境で無理を続けるのではなく、「どんな環境なら力を発揮できるのか」を一緒に考えることが大切です。
3.生活リズムを整えるサポートをする
働くためには、仕事の能力だけでなく生活リズムも重要です。
朝起きることが難しい、昼夜逆転している、外出する機会が少ない、長期間引きこもっている場合には、すぐに就職活動を始めることが負担になることもあります。
まずは、
・決まった時間に起きる
・着替える
・食事を取る
・外に出る
・決まった場所へ通う
・他者と同じ空間で過ごす
といった生活の土台づくりから始めることも立派な一歩です。
親が無理に生活を変えようとすると、本人との関係が悪化してしまう場合もあります。
家庭だけで解決しようとせず、福祉サービスや就労支援を利用しながら、生活リズムを整えていく方法もあります。
4.失敗する機会を奪わない
親としては、子どもに失敗してほしくないと思うものです。
「それは無理だと思う」
「失敗するからやめたほうがいい」
「代わりにやってあげる」
という対応も、心配する気持ちから出てくるものです。
しかし、本人が自分で選び、小さな失敗を経験し、その後どうすればよいかを考えることも、自立のためには必要です。
もちろん、生命や財産に大きな危険がある場合には支援が必要です。しかし、すべての失敗を防ぐ必要はありません。
支援とは、失敗させないことではなく、失敗しても立て直せる環境をつくることでもあります。
5.親以外に相談できる人を増やす
将来のことを考えると、本人が親以外の人にも相談できる関係をつくることは非常に重要です。
親子関係が良好であっても、いつまでも親だけが唯一の相談相手でいることには限界があります。
就労支援事業所の職員、相談支援専門員、医療機関のスタッフなど、本人が安心して話せる人を少しずつ増やしていくことが大切です。
最初は親が支援機関との橋渡しを行い、徐々に本人と支援者が直接話せる関係をつくっていく方法もあります。
「親がいなくても相談できる場所がある」という経験は、本人にとって大きな安心につながります。
6.働くことを急がせすぎない
親御さんからの相談で多いのが、「早く働いてほしい」という悩みです。
将来を考えれば、働いて収入を得てほしいと思うのは自然なことです。
しかし、長期間の引きこもりや精神的な不調がある人にとって、いきなり一般企業で働くことは大きな負担になる場合があります。
働くための準備段階として、障害福祉サービスを利用する方法があります。
例えば、就労継続支援B型では、一般企業などで働くことが現時点では難しい人が、支援を受けながら作業や生産活動に取り組むことができます。
通所日数や作業内容は事業所によって異なりますが、まずは通う習慣をつける、人との関わりに慣れる、自分に合った作業を見つけるといった経験につながります。
大切なのは、「すぐに就職するか、何もしないか」の二択にしないことです。
本人の現在の状態に合った段階から始めることが、結果として長く安定した社会参加につながることがあります。
親亡き後に備えて今からできること
「親亡き後」は、多くのご家族が抱える大きな不安です。
だからこそ、親御さんが元気なうちから少しずつ準備を進めることが大切です。
例えば、本人の生活状況、服薬、通院先、苦手なこと、パニック時の対応方法、金銭管理の状況、本人が安心できる声掛けなどを整理しておくと、将来支援者が変わった場合にも情報を引き継ぎやすくなります。
また、相談支援、就労支援、生活支援、住まいの支援など、一つの場所だけではなく複数の支援先とつながっておくことも重要です。
将来への備えは、一度にすべてを決める必要はありません。
本人ができることを一つ増やす。家族以外の相談相手を一人増やす。
週に一度でも外へ出る機会をつくる。
そのような小さな積み重ねが、本人と家族の将来の安心につながっていきます。
就労支援を利用することも選択肢の一つ
障害のある人の中には、
「働きたいけれど自信がない」
「人間関係が怖い」
「体調に波がある」
「長く引きこもっていた」
「何ができるのか分からない」
という悩みを抱えている人もいます。
そのような場合、最初から一般就労だけを目標にする必要はありません。
就労支援を利用しながら、生活リズムを整え、自分に合う作業を見つけ、人との関わりを少しずつ増やしていく方法があります。
就労継続支援B型事業所「毎日が夏休み。」では、一人ひとりの体調や得意なこと、苦手なことに合わせながら、無理のないペースで社会参加を目指しています。
軽作業だけでなく、EC物販、パソコンを使った作業、ミシン作業、ハンドメイドなど、さまざまな作業を通して「自分にもできることがある」と感じられる環境づくりを大切にしています。
まとめ|親ができる最大の支援は「一人で支え続けない仕組み」をつくること
親としてできる障害者支援は、何でも代わりにやってあげることではありません。
本人の気持ちを聞き、できることを見つけ、小さな挑戦を応援し、必要なときには専門的な支援につなげることが大切です。
そして、家族だけで支えるのではなく、地域や福祉サービス、就労支援事業所などとつながり、本人を支える人を増やしていくことが将来の安心につながります。
「まだ働くのは難しいかもしれない」
「外に出るところから始めたい」
「子どもの将来について相談したい」
そのような段階でも、支援につながることはできます。
焦って大きな変化を求める必要はありません。
本人に合った小さな一歩を見つけ、その一歩を続けられる環境をつくること。
それが、親としてできる大切な支援の一つではないでしょうか。
毎日が夏休み。
住所:千葉県野田市清水68
駒ビル3階2号室
電話番号:04-7197-3038
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