就労支援B型で得られる「工賃」とは?
就労継続支援B型(以下、B型)は、障がいや体調の影響で一般企業で働くのが難しい方が、自分のペースで働きながら社会参加できる場所です。
B型事業所では、利用者が行った作業の成果に応じて「工賃(こうちん)」と呼ばれる報酬が支払われます。
「B型の工賃ってどのくらいもらえるの?」「どうやって工賃は決まるの?」
この記事では、そんな疑問にお答えしながら、全国の平均金額や工賃を上げるための取り組みをわかりやすく解説します。
第1章 就労支援B型における工賃とは?
1-1 工賃は「給与」ではなく「報酬」
B型事業所では、利用者と雇用契約を結ばずに作業を行います。
そのため、支払われるお金は「給与」ではなく、**作業の成果に応じた報酬(=工賃)**と位置づけられています。
つまり、工賃は「労働の対価」というよりも、「活動に参加したことに対する評価・成果報酬」です。
とはいえ、B型に通う利用者の多くはこの工賃を生活費の一部として受け取り、モチベーションややりがいにもつながっています。
1-2 工賃の支払い方法
工賃は、事業所が行う生産活動(作業)によって得た収益を、利用者に分配する形で支払われます。
支払いの仕組みは事業所によって異なりますが、一般的には以下のように決まります。
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参加日数・作業時間に応じた日給・時給制
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作業量や出来高に応じた出来高制
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月単位で一律支給する定額制
たとえば、毎日4時間×週5日通っている方と、週2日だけ通っている方では支給額が異なります。
また、販売製品の売上や企業からの委託作業が多い事業所ほど、工賃が高くなる傾向にあります。
第2章 就労支援B型の工賃の平均額
2-1 全国平均の工賃額
厚生労働省の調査(令和4年度)によると、全国のB型事業所の平均工賃月額は16,507円です。
1日あたりに換算すると、およそ700〜800円前後となります。
ただし、この金額は全国平均であり、地域や事業所によって差があります。
都市部では生産性の高い作業を行う事業所も多く、月2〜3万円を超えるところもあります。
2-2 地域別の工賃格差
工賃には地域格差があり、都心部や企業連携の多い地域ほど工賃が高くなる傾向があります。
一方、地方では仕事の受注量や販売機会が少ないため、1万円前後の事業所も少なくありません。
また、福祉職員の人員体制や作業内容の種類によっても大きく変わります。
「内職中心で単価が低い作業が多い」事業所では工賃が低くなりがちですが、
「オリジナル商品の販売」「企業との委託作業」「ネット販売」などを行う事業所は、比較的高い工賃を実現しています。
2-3 工賃の推移と現状
工賃の全国平均は、ここ10年で約4,000円上昇しています。
行政や各事業所が「工賃向上計画」を推進しており、製品の販売ルート拡大や企業連携など、さまざまな工夫が進んでいます。
それでもまだ「月1万円台」という数字は課題であり、利用者が経済的自立を実現するには十分とは言えません。
そのため、今後は「工賃を上げるための仕組みづくり」がますます求められています。
第3章 工賃を決める4つの要素
工賃の金額は、次の4つの要素によって大きく左右されます。
① 生産活動の内容
作業の単価が高いほど工賃も上がります。
たとえば、アクセサリー制作やデザイン業務、企業の委託清掃などは単価が高めです。
一方、シール貼りや封入などの軽作業は単価が低いため、工賃も抑えめになります。
② 販売・受注の仕組み
事業所が自社製品を販売している場合、その売上が工賃の原資になります。
販売ルートを「地域イベント」「ネット通販」「企業提携」など多様化している事業所ほど、収益が安定しやすくなります。
③ 利用者の参加率
利用者の通所日数や作業時間が多いほど、事業所全体の生産量が増え、結果的に工賃が上がります。
反対に、欠席が多いと作業量が減り、工賃にも影響します。
④ 支援員・職員のスキル
職員が販売や企画に力を入れている事業所は、工賃アップに直結しています。
利用者支援だけでなく、「福祉×ビジネス」の視点を持つことが工賃向上の鍵です。
第4章 工賃を上げるための取り組みとは?
全国のB型事業所では、工賃を上げるためにさまざまな工夫をしています。
ここでは代表的な取り組みを紹介します。
4-1 企業との連携
地元企業や店舗と提携し、商品の制作や納品を請け負うケースです。
企業からの委託作業は単価が高く、安定した収入につながります。
例:
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飲食店のギフト包装作業
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企業向けノベルティ製作
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建物清掃・メンテナンス業務 など
4-2 オリジナル商品の開発
自分たちで商品を企画・製造・販売する事業所も増えています。
たとえば「革小物」「ハンドメイド雑貨」「お菓子」「野菜」などを作り、地域イベントやネットショップで販売する方法です。
「毎日が夏休み。」でも、利用者が作った革製品や小物を販売し、工賃アップとやりがいの両立を目指しています。
4-3 ネット販売・SNS活用
近年は、InstagramやBASE、minneなどのECサイトを使った販売が増えています。
地域を超えて購入者を広げることで、売上と工賃の向上につながります。
4-4 スキルアップ支援
パソコン作業やデザイン、動画制作など、付加価値の高いスキルを身につけることで、より高単価の仕事に取り組めます。
「学びながら稼ぐ」という新しいスタイルを採用する事業所も増えています。
4-5 行政や自治体の支援制度
各自治体では「工賃向上計画」を策定し、研修や販売会への参加支援などを行っています。
事業所がこうした制度を活用することで、工賃アップを実現しやすくなります。
第5章 利用者ができる“工賃アップ”のポイント
工賃を上げるためには、事業所の努力だけでなく、利用者自身の意識も大切です。
ここでは、利用者の立場からできる工夫を紹介します。
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休まず通うことを心がける
継続的に通うことで信頼を得られ、より責任ある作業を任せてもらえるようになります。 -
作業のスピード・正確さを意識する
丁寧で正確な作業を積み重ねると、評価が上がり単価の高い仕事に挑戦できる可能性が広がります。 -
新しいことに挑戦する
初めての作業でも恐れず挑戦する姿勢が、自信とスキルアップにつながります。 -
周りと協力する
チームで協力することで、生産効率が上がり、結果的に工賃も上がることがあります。
第6章 「毎日が夏休み。」の工賃向上への取り組み
千葉県野田市の就労継続支援B型事業所「毎日が夏休み。」では、次のような方針で工賃向上に取り組んでいます。
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多様な作業メニュー:軽作業・ミシン作業・パソコン作業・動画制作など、得意を活かせる環境
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企業との連携:地域企業との委託作業を通じた収益確保
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販売チャネルの拡大:ネット販売・イベント出店・地域交流会への参加
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スキルアップ支援:利用者一人ひとりの成長に合わせたサポート体制
そして何より、「やってみたい!」という気持ちを尊重する支援を大切にしています。
その結果、「働く喜び」と「報酬の充実」を両立させる仕組みが生まれています。
第7章 まとめ:工賃は“努力の証”であり“希望の種”
就労支援B型の工賃は、金額だけでなく「自分の努力が形になる」大切な指標です。
たとえ金額が小さくても、働くことで得られる自信や喜びは大きな一歩です。
そして、事業所や地域全体が工賃アップに取り組むことで、福祉の質そのものが高まっていきます。
「毎日が夏休み。」では、利用者一人ひとりの笑顔と成長を何よりも大切に、
“働く練習から働く自信へ”を合言葉に、これからも工賃向上に挑戦していきます。
毎日が夏休み。
住所:千葉県野田市清水68
駒ビル3階2号室
電話番号:04-7197-3038
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